東京地方裁判所 平成9年(ワ)22432号 判決 1998年1月21日
東京都新宿区新宿二丁目三番一〇号
原告
東京インターネット株式会社
右代表者代表取締役
田尾陽一
右訴訟代理人弁護士
石田省三郎
同
鎭西俊一
東京都品川区東五反田二丁目四番一号
被告
株式会社東京インターネットパソコンスクール
右代表者代表取締役
杉澤英行
主文
一 被告は、「株式会社東京インターネットパソコンスクール」の商号を使用してはならない。
二 被告は、東京法務局品川出張所においてした被告の商業登記中、商号「株式会社東京インターネットパソコンスクール」の抹消登記手続をせよ。
三 訴訟費用は被告の負担とする。
事実及び理由
原告は、主文と同旨の判決を求め、別紙のとおり請求原因を述べた。
被告は、本件口頭弁論期日に出頭せず、答弁書その他の準備書面も提出しないから、請求原因事実を明らかに争わないものと認め、これを自白したものとみなす。
右の事実によれば、原告の請求はいずれも理由があるから認容し、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 西田美昭 裁判官 八木貴美子 裁判官 沖中康人)
(別紙)
請求原因
一 原告は、電気通信事業法に基く付加価値情報通信網の有償提供(いわゆるインターネットプロバイダー事業)、電気通信に係るシステム及びソフトウェアの製造及び保全、通信ネットワークシステムに関する企画、開発、保守、コンサルティング、教育及び販売、並びにこれらに関連する事業等を全国的に展開している株式会社である。
被告は、コンピューター教室、ニューメディアに関するシステム開発及び販売等の事業を営む株式会社である。
二 原告は、その商品等表示として、平成六年一二月の設立当初から、「東京インターネット」を使用し、その提供するインターネット接続サービス、パソコン関連のサービス等にこれを用いている。
原告は、設立以来、インターネットないしパソコン、情報処理に関する多角的な事業を行ってきた結果、「東京インターネット」の表示は、インターネット、パソコン等の業界はもちろん、一般の需要者の間で広く認識されているばかりか、著名である。
三 被告は、平成八年五月、「株式会社東京インターネットパソコンスクール」の商号で会社設立した上、右表示を用いて、コンピューター教室、ニューメディアに関するシステム開発及び販売等の事業を展開している。
四 被告の商号中、「東京インターネット」の部分は、原告の商号と全く同一であり、「パソコンスクール」という表示も、原告の行っている電気通信、情報処理に関連するセミナー等を想起させるから、被告の商号は、原告の商品等表示と類似する。
五 このような類似商号を被告が使用することにより、取引関係者又は一般需要者に、原告の営業活動等と混同を生じさせ、また、原告、被告間に取引上、経済上、あるいは組織上何らかの関係があるとの混同を生じさせる。
六 原告は、被告の商号の使用により営業上の利益を侵害され、又はそのおそれがある。
七 よって、原告は、被告に対し、不正競争防止法二条一項一号及び三条一項、又は同法二条一項二号及び三条一項に基き、被告商号の使用の差止及び商号登記抹消登記手続を求める。